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チェスタトンの名言集 1874-1936

執筆者の写真: 石田卓成石田卓成

更新日:3月13日

ギルバート・キース・チェスタトンの名言

1.「伝統とは…死者の民主主義である。」(正統とは何か)

解説: チェスタトンの言う「伝統」とは、過去の世代の知恵を尊重する「死者の民主主義」です。通常の民主主義は生者の意見のみを反映しますが、それだけでは不十分であり、過去の人々の経験や価値観、つまり「死者を会議に招く」ことが重要です。彼らを尊重することで、時間と空間を超えた、より深く持続可能な意思決定が可能になります。伝統は過去の遺物ではなく、現代、未来へと繋がる「生きた声」であり、死者という広範な有権者を包含した真の民主主義なのです。


2.「壁が作られた理由を知るまで、壊してしまうべきではない。」(正統とは何か)

解説: 改革や変革における慎重さの重要性を説いています。既存の制度や伝統には、それが生まれた理由や背景があるため、ただ単に古いからといって無闇に取り除くべきではありません。まずは、その壁が何のために作られたのかを理解し、それが今もなお必要なのかどうかを検討することが、真に有益な変革のための第一歩となります。


3.「真の意味で開かれた心とは…真理を受け入れるために開かれるべきなのだ。」(正統とは何か)

解説: 心を開くことは、単にあらゆる考えを無批判に受け入れることではありません。チェスタトンは、真に開かれた心とは、真理を見極め、それを受け入れる姿勢を持つことであると指摘しています。固定観念にとらわれることなく、新しい情報や意見を慎重に吟味し、それが真理であると確信したならば、それを受け入れる勇気を持つことが大切です。


4.「死んだものは流れに沿って行くが、生きているものだけが流れに逆らうことができる。」(永遠の人)

解説:世間の常識や流行に流されるのは簡単です。しかし、自分の意志で考え、行動するには、流れに逆らうような努力が必要です。その努力こそが「生きている」証であり、安易に流されず、自分の人生を切り開くことの大切さを示しています。


5.「妖精物語は…ドラゴンに立ち向かうことができると教えるためにあるのだ。」(トレメンダス・トリフルズ)

解説:妖精物語は、困難や恐怖の象徴であるドラゴンに、勇気を持って立ち向かうことを教えてくれます。物語は、子供たちに現実世界の困難に立ち向かうための「心の準備」をさせ、知恵、勇気、友情といった、目に見えない武器の大切さを伝えます。


6.「真の文明とは、人間が神との関係を持つことである…。」(永遠の人)

解説:真の文明は、物質的な豊かさだけでは成り立ちません。超越的な存在との精神的なつながり、つまり、心の安らぎや生きる意味を見出すことが重要です。物質的な発展と精神的な豊かさ、その両方のバランスが、内側から崩壊しない文明を築きます。


7.「狂人とは理性を失った人のことではない。狂人とは理性以外のあらゆるものを失った人である。」(正統とは何か)

解説:真の狂気とは、理性だけが肥大化し、感情、常識、他人への思いやりなど、人間として大切な要素を失った状態です。理性は重要ですが、それだけでは人間は生きていけません。人間らしさのバランスを保つことの大切さを示しています。


8.「謙遜とは…神から与えられたものとして受け入れることである。」(正統とは何か)

解説:真の謙遜とは、自己否定ではなく、自分の才能をありのままに認め、それが超越的な力から与えられたものと感謝することです。自己肯定と感謝の気持ちを持つことで、傲慢にならず、才能を世の中のために役立てようという気持ちが生まれます。


9.「宇宙を見て畏敬の念を抱くことができない人は、宇宙の本当の意味を理解していない。」(正統とは何か)

解説:宇宙の神秘に対する畏敬の念は、その理解の鍵です。全てを理解することは不可能でも、「わからない」ことへの尊敬が、自分の小ささを知り、謙虚な気持ちを育みます。


10.「歴史の流れは…人間の魂の物語である。」(永遠の人)

解説:歴史は単なる進歩の記録ではなく、試練にさらされる人間の魂の成長の物語です。戦争や飢饉などの苦難は、勇気、友情、助け合いといった価値観を育みました。過去の教訓は、現代を生きる私たちに、多くのことを教えてくれます。


11.「すべての芸術は制約を必要とする。自由詩とは、詩ではなく単なる無秩序である。」(正統とは何か)

解説:真の芸術は、制約の中でこそ創造性が発揮されます。詩の形式、絵画のキャンバスなど、制約は足かせではなく、表現を深めるための要素です。自由すぎると、何を表現したいのかが不明瞭になり、感動は生まれません。


12.「キリスト教は…そのたびに蘇った。そして、それこそがキリスト教の本質である。」(永遠の人)

解説:キリスト教は、長い歴史の中で、迫害や弾圧を何度も経験しました。しかし、そのたびに信仰の力によって蘇り、より強固なものとなってきました。この不屈の精神こそが、キリスト教の本質であり、困難を乗り越える力の源泉となっています。


13.「世の中には千の異なる顔をした狂気があるが、ただ一つの健全な心しかない。」(正統とは何か)

解説:狂気は多様な形で現れますが、健全な心は普遍的なものです。社会通念や常識から外れる行動は様々ですが、真に健全な精神状態は、時代や文化を超えて共通する、調和とバランスの取れた状態を指しています。


14.「ローマ帝国は偉大であった。しかし、ベツレヘムで生まれた赤ん坊はもっと偉大であった。」(永遠の人)

解説:ローマ帝国は強大な軍事力と政治力を持っていましたが、それは一時的なものでした。一方、ベツレヘムで生まれたイエス・キリストの物語は、人々の心に深く根付き、時代を超えて世界を動かし続けています。真の力とは、物質的なものではなく、精神的なものであることを、この名言は示唆しています。


15.「希望とは、可能性が見えない時に、可能性を信じることである。」(被告)

解説:希望は、絶望的な状況の中でも、未来に可能性を見出す力です。客観的な根拠がない場合でも、信じる心があれば、困難を乗り越える原動力となります。希望は、暗闇の中で見つける光のようなものです。


16.「世界が滅びるとすれば、それは倦怠によってだろう。」(異端者たち)

解説:世界の終焉は、外的な要因ではなく、内面的な無関心や情熱の喪失によってもたらされる可能性があります。生きることへの倦怠感、無気力、無感動は、社会全体の活力を奪い、緩やかな衰退を招く、静かな脅威です。


17.「何かを信じないことは、それが真実であると考えることだ…。」(異端者たち)

解説: チェスタトンは『異端者たち』で、「何も信じない」と言う人でも、実は「何も大事じゃない」という考えを信じていると述べています。つまり、信じない態度も一種の信念だということです。この言葉は、完全に中立でいるのは難しく、何かを感じたり選んだりすることが大事だと教えてくれます。簡単に言えば、信じるか信じないかを決める時点で、すでに自分の考えを持っているのです。


18.「世界は悪化していると言う人々がいる。しかし、世界は常に悪かったし、常に良かった。」(万事考慮に入れて)

解説:世界は常に善と悪が混在しています。過去を美化したり、未来を悲観したりするのではなく、現在をありのままに見つめることが大切です。善と悪の両面を認識しつつ、より良い世界を目指して努力することが重要です。


19.「ユーモアは、深刻なものとばかげたものの間の境界線を認識することから生まれる。」(途方もない些事)

解説:ユーモアは、真面目なことと滑稽なことの区別から生まれます。物事を多角的に捉え、深刻な状況の中にも笑いを見出すことができる柔軟な視点が必要です。ユーモアは、人生のスパイスであり、困難を乗り越える力にもなります。


20.「奇跡とは、自然法則に反することではなく、我々が知っている自然法則に反することである。」(正統とは何か)

解説:奇跡は、自然法則を否定するものではなく、私たちの理解を超えた現象です。未知の法則が存在する可能性を示唆し、科学的な知識が全てではないことを教えてくれます。奇跡は、驚きと畏敬の念を呼び起こし、視野を広げてくれます。


21.「旅行の目的は、外国を見ることではなく、外国から自分の国を見ることである。」(途方もない些事)

解説:旅行は、異文化に触れることで、自国の文化を客観的に見つめ直す機会を与えてくれます。外の世界を知ることで、自分の価値観や文化の独自性を再認識し、自己理解を深めることができます。


22.「私は99回、世界が間違っていて自分が正しいということを発見した。」(雑誌『ザ・スピーカー』1905年12月9日号)

解説:多数派が常に正しいとは限りません。独立した思考を持ち、自分の信念を貫くことの大切さを示しています。周りに流されず、自分の頭で考え、判断する勇気を持つことの重要性を説いています。


23.「進歩とは、過去の過ちを正すことであり、過去を破壊することではない。」(正統とは何か)

解説:真の進歩は、過去の教訓を活かし、過ちを繰り返さないようにすることです。過去を否定するのではなく、過去から学び、より良い未来を築くことが重要です。過去の遺産は、進歩の土台となります。


24.「人間は、自分が何を信じているかを知るために、自分が何を信じていないかを知る必要がある。」(異端者たち)

解説:自分の信念を明確にするためには、反対の考えを理解することが重要です。対立する思想を知ることで、自分の信念の根拠が明確になり、より深く確信を持つことができます。否定を通して、自己の肯定を強化します。


25.「真の兵士は、戦いを望むのではなく、戦いを避けるために戦う。」(永遠の人)

解説:戦いの目的は、勝利ではなく、平和であるべきです。武力行使は、最後の手段であり、真の勇気は、戦いを避けるための努力の中にあります。平和を守るための戦いという、逆説的な真理を示しています。


26.「芸術とは、限られた手段で無限を表現することである。」(正統とは何か)

解説:芸術は、限られた素材や形式の中で、無限の可能性を表現します。制約は創造性を刺激し、より深い表現を生み出す力となります。限られた手段を使うからこそ、芸術家の技量と想像力が試されます。


27.「愛とは、他人を自分自身のように愛することではなく、他人を自分自身よりも愛することである。」(被告)

解説:真の愛は、自己犠牲を伴います。自分と同じように他人を大切にするだけでなく、自分の利益よりも他人の幸福を優先する、無償の愛こそが、最も尊い愛の形です。


28.「教育とは…どのように考えるかを教えることである。」(万事考慮に入れて)

解説:教育の目的は、知識を詰め込むことではなく、自ら考え、判断する力を育むことです。情報を鵜呑みにせず、批判的に思考し、問題解決能力を養うことが真の教育であり、独立した思考力を育てることが重要です。


29.「真の勇気とは、恐怖を感じないことではなく、恐怖を感じながらも行動することである。」(トレメンダス・トリフルズ)

解説:勇気とは、恐怖心がないことではなく、恐怖を克服して行動することです。恐れを感じながらも、正しいと信じることを行う強さこそが、真の勇気です。感情に打ち勝ち、困難に立ち向かう精神力を示しています。


30.「人間は、理性によって導かれるべきであるが、理性だけでは不十分である。信仰と理性の両方が必要である。」(正統とは何か)

解説:理性は重要ですが、人間の理解には限界があります。信仰は、理性では説明できない領域を補完し、心の安らぎを与えます。理性と信仰のバランスが、人間らしい豊かな生き方を可能にします。両輪があってこそ、前に進めます。


31.「世界は、奇跡で満ちている。ただ、我々がそれを見ることができないだけだ。」(永遠の人)

解説:日常の中に、驚きや感動は隠されています。見慣れた風景、当たり前の出来事の中にも、奇跡は存在します。それに気づくためには、感受性を磨き、心の目を開く必要があります。世界は、驚異に満ちています。


32. 「自由は、善を行う権利ではなく、善を行う義務である。」(正統とは何か)

解説:真の自由とは、単に自分の欲望を満たすことではなく、倫理的な責任を伴うものです。私たちは、善を行う「権利」として自由を捉えがちですが、チェスタトンは、自由を善を行うための「義務」として捉えるべきだと説きます。他者を傷つける自由は真の自由ではなく、責任ある自由こそが、社会を豊かにする、という考えを示唆しています。


33.「人間は、自分が何者であるかを知るために、自分が何者でないかを知る必要がある。」(異端者たち)

解説:自己理解は、自分と異なるものを認識することから始まります。他者との比較、異なる価値観との対話を通じて、自分の個性や価値観が明確になります。否定のプロセスを経て、自己肯定に至ります。


34.「世界は、常に変化しているが、真理は不変である。」(正統とは何か)

解説:世界は常に変化しますが、時代や文化を超越した普遍的な真理は存在します。変化に翻弄されず、不変の真理を見つけることが、人生の指針となります。変化の中の不変性を見つけることが重要です。


35.「真の幸福とは、物質的な豊かさではなく、精神的な豊かさにある。」(万事考慮に入れて)

解説:物質的な豊かさは、一時的な満足感をもたらしますが、真の幸福は、心の充足から生まれます。感謝の気持ち、人とのつながり、精神的な成長など、内面の豊かさこそが、永続的な幸福をもたらします。


36.「もし天使が飛べるのは自分たちだけだと考えているなら、天使は堕落するだろう。」(正統とは何か)

解説: 特権や能力を持つ者が、それを当然視し、謙虚さを失うことへの警鐘です。天使でさえ、傲慢になれば堕落する可能性があるように、人間もまた常に謙虚さを忘れずにいるべきだという教訓を含んでいます。


37.「貧乏人が感謝を知っているのは、金持ちが知らないからだ。」(正統とは何か)

解説: 物質的な豊かさだけでは得られない、心の豊かさ、特に感謝の気持ちは、逆境や欠乏の中でこそ育まれるという逆説的な真実を突いています。貧しさの中に、金銭では買えない価値があることを示唆する言葉です。


38.「大抵の場合議論する能力のない者が喧嘩をはじめる」(異端者たち)

解説:論理的な思考や言葉で自分の意見を伝えられない人は、感情的な対立、つまり喧嘩に訴えがちです。チェスタトンは、冷静な議論の重要性と、知性の欠如が暴力や争いを生む可能性を指摘しています。真の議論は、互いの理解を深めるためのものであり、感情的な衝突とは異なることを示唆しています。


39.「物事が本当に価値を持つのは、それが失われる可能性があるからである。」(ノッティングヒルのナポレオン)

解説:永遠に続くもの、失われることのないものには、人は真の価値を見出しにくいものです。失うかもしれないという危機感、儚さ、有限性があるからこそ、その存在の貴重さ、大切さに気づき、深く愛することができるのです。チェスタトンは、失う可能性を孕む「生」や「日常」の尊さを説いています。


40.「不思議に満ちた世界が飢えることはない。人間が不思議を感じる心を失うことで飢えるのだ。」(途方もない些事)

解説:世界は常に驚きと神秘に満ちています。しかし、日常に慣れ、感動や疑問を抱かなくなると、心の豊かさは失われていきます。チェスタトンは、子どものように純粋な好奇心を持ち続け、世界の不思議に目を向けることの重要性を説き、精神的な充足を得るためには、感受性が不可欠だと示唆しています。


41.「論理的に一貫していることは、必ずしも正しいことを意味しない。」(正統とは何か)

解説:論理は思考の道具として重要ですが、万能ではありません。現実の世界は複雑で、論理だけでは捉えきれない側面があります。狂気じみた考えでさえ、論理的に一貫している場合があることをチェスタトンは指摘し、論理を絶対視することの危険性と、直感や常識の重要性を示唆しています。


42.「人間が信じるのをやめるとき、何も信じなくなるのではない。何でも信じるようになるのだ。」( イラストレイテッド・ロンドン・ニュース1926年)

解説:人は、拠り所となる信仰や価値観を失うと、無防備な状態になります。真理を見極める基準を失い、根拠のない情報や迷信、扇動的な言説を鵜呑みにしてしまう危険性が高まります。チェスタトンは、健全な懐疑心と、確固たる信念を持つことの重要性を説いています。


43.「絵の本質は額縁にあり」(正統とは何か)

解説:絵画そのものだけでなく、それを区切り、限定する額縁があって初めて、絵は一つの作品として成立し、鑑賞者はその内部の世界に集中できます。チェスタトンは、物事の本質を理解するためには、その境界線、つまり限界や制約を認識することが重要であると説いています。額縁は、正統の重要性を示す比喩でもあります。


44.「どんなに行動を起こそうが逃れられない運命があるなんて私は信じない。私が信じるとすれば何も行動を起こさないと逃れられない運命があるということだけだ」(異端者たち)

解説:チェスタトンは、人間の自由意志と行動の重要性を強く信じています。運命は、受動的に受け入れるものではなく、自らの行動によって切り開いていくものです。行動を起こさなければ、現状から抜け出せず、より悪い状況に陥る可能性があることを示唆し、積極的な行動を促しています。


45.「する価値のあることならへたでもいいからやってみる価値がある」(この世界の何が問題か)

解説:完璧主義に陥り、失敗を恐れて行動できない人が多い中で、チェスタトンは、たとえ下手であっても、価値があると信じるなら挑戦することの重要性を説いています。行動することによって、経験や学びが得られ、成長につながります。完璧さよりも、まず行動を起こすことの意義を強調しています。


46.「人は議論で意見を変えない。物語で変わるんだ。」  (ザ・デイリー・ニュース1901年頃)

解説:チェスタトンは、議論や論理的な説得が必ずしも人の心を変えるわけではないと考えていました。議論は、相手の意見の矛盾を指摘したり、自分の正しさを証明したりすることはできますが、相手の感情や価値観にまで深く影響を与えることは難しいと見ていたのです。人は、自分の意見が間違っていると論理的に証明されても、すぐにそれを受け入れるとは限りません。感情的な反発や、プライド、それまでの信念などが邪魔をして、素直に意見を変えられないことが多いのです。


 
 

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