提言⑥.老齢、障害年金の支給額増額(障害基礎年金においても障害等級3級を支給対象に)
1.解説:老齢年金と障害年金の支給額を増やすことは、高齢者や障害のある人の生活を直接的に助け、経済的な安定と安心感を高めるためにとても大切です。特に、障害年金について、障害等級3級は、日常生活や労働能力に一定の制限があるにもかかわらず、今の制度ではお金が支給されません。障害等級3級も支給の対象に含めることで、より幅広い範囲の障害のある人を社会保障の網で保護することが可能になり、生活が苦しくなるのを防ぎ、自立を助けることに繋がります。また、年金の支給額を増やすことは、高齢者や障害のある人の消費を刺激する効果も期待でき、経済全体を活性化させることにも繋がる可能性があります。
2.海外の事例:
(1)ドイツ:「障害年金」(Erwerbsminderungsrente)があり、障害の重さに応じて「部分支給」「全額支給」が細かく設定されています。さらに、一定の労働能力がある障害者には職業リハビリテーションの支援制度も提供されており、単なる給付にとどまらず、社会復帰を促す仕組みが整っています。
(2)フランス:「障害年金制度」(Pension d'invalidité)では、障害の程度に応じて3段階の給付が設定されています。さらに、障害者の社会参加を支える手当「成人障害者手当」(Allocation aux adultes handicapés, AAH)も充実しており、労働能力が低下しても生活を維持できる制度が整っています。
(3)アメリカ:「社会保障障害保険」(SSDI)と「補足的保障所得」(SSI)があり、障害の程度や収入状況に応じて支給される仕組みになっています。特に、障害のある人の労働支援プログラム「Ticket to Work」も整備されており、単なる年金給付にとどまらない包括的な支援が行われています。
(4)スウェーデン、デンマーク、ノルウェー(北欧諸国):年金制度が充実しており、老齢年金も障害年金も給付水準が高いことで知られています。障害年金については、障害の重さに応じた詳細な等級区分が設けられており、幅広い範囲の障害者を支援する制度が整備されています。
(5)オランダ:「障害者総合支援法」に基づき、労働能力を失った人々への所得保障として「障害年金」が支給されています。障害の重さや労働能力の喪失割合に応じて、給付額が細かく設定されています。
(6)カナダ:「カナダ年金制度」(CPP)の中に「障害年金」(CPP Disability Benefit)が含まれており、一定の要件を満たす障害者に対して支給されます。障害の重さに応じて給付額が異なり、所得補償としての役割を果たしています。
(7)オーストラリア:「障害者支援年金」(Disability Support Pension)が提供されており、労働能力が著しく限定されている人や視覚障害のある人を対象としています。
提言⑦.年少扶養控除の復活
1.解説:年少扶養控除とは、かつて所得税に存在した制度で、16歳未満の子どもを扶養している納税者の所得から一定額を控除するものでした。この制度を復活させることで、子育て世帯の税負担を軽減し、可処分所得を増加させる効果が期待できます。子育てには多額の費用がかかるため、税負担の軽減は、子育て世帯の経済的ゆとりを生み出し、少子化対策にも貢献する可能性があります。また、子育て世帯の消費を刺激することで、経済全体の活性化にも繋がる効果も期待できます。
2.海外の事例:
(1)スウェーデン:保育・教育の無償化、手厚い育児休暇制度を通じて、家族の経済的負担を軽減しています。直接的な税控除よりも、現物支給や直接給付が中心となっており、子育て支援に重点を置いています。この制度は、日本においても税控除と現物給付のバランスを考える際に参考になるでしょう。
(2)シンガポール:「Baby Bonus」制度があり、政府による現金給付と、育児費用を積み立てる「Child Development Account (CDA)」の仕組みが導入されています。CDAでは、両親が積み立てた育児費用に対して政府が補助を行い、直接的な子育て支援を実施しています。税控除と比べ、より直接的な支援を提供する制度として、日本にとっても検討に値します。
(3)韓国:少子化対策として、政府は児童手当の増額や育児支援の拡充を進めています。特に、現金給付の強化が特徴であり、日本と同様に少子高齢化の課題を抱える国として、その政策の効果を比較することで、日本に適用可能な施策を見出すことができるかもしれません。
(4)フランス:家族手当制度が充実しており、子どもの数や年齢に応じた現金給付が行われます。また、所得税においても、子どもの数に応じた税控除や税額の減額制度が定められています。これにより、子育て世帯の税負担が大幅に軽減される仕組みとなっています。
(5)ドイツ:児童手当(Kindergeld)が、子どもの出生から教育を受ける権利が終了するまで支給されます。また、税制面では、児童手当と児童税控除(Kinderfreibetrag)のいずれか有利な方を選択できる制度があり、家計に応じた支援が可能となっています。
(6)カナダ:カナダ子育て給付金(Canada Child Benefit:CCB)があり、連邦政府による税非課税の給付金制度として、子どもの数や世帯所得に応じた毎月の給付が行われています。税制度における子育て税優遇措置と合わせ、子育て世帯への手厚い経済支援が行われています。
(7)アメリカ:児童税控除(Child Tax Credit)があり、一定の所得以下の世帯を対象に、子ども一人あたりの税控除が適用されます。さらに、税額が控除額を下回る場合には、払い戻しを受けられる還付税控除(Refundable Tax Credit)の仕組みがあり、低所得の子育て世帯も税優遇の恩恵を受けられるようになっています。
提言⑧.高校生までの医療費無償化(所得制限は外す)
1.解説:高校生までの医療費を無償化することは、子育て世帯の医療費負担を大幅に軽減し、経済的な安心感を高める効果が期待できます。特に、子どもの数が多い世帯や、病弱な子どもを抱える世帯にとっては、医療費の負担軽減は家計に大きなプラスとなります。また、所得制限を設けないことで、全ての子育て世帯が円滑に医療サービスを利用できるようになり、親の経済状況に左右されずに、子どもに必要な医療を受けられる社会の実現に繋がります。医療費無償化は、少子化対策としての効果に加え、子どもの健康状態を向上させ、将来世代の人的資本の蓄積にも貢献することが期待できます。
2.海外の事例:
(1)カナダ:カナダの公的医療制度(Medicare)は州ごとに運営されており、ほとんどの州で18歳未満の子どもには医療費の自己負担なしとなる制度が整っています。また、低所得世帯向けの追加補助もあり、日本の「所得制限なしの医療費無償化」と類似する政策の参考になるでしょう。
(2)オーストラリア:オーストラリアの公的医療制度(Medicare)では、18歳未満の子どもは基本的に医療費が自己負担なしとなっています。また、低所得層向けの医療費補助制度(Bulk Billing)があり、日本の所得制限を撤廃するという方針と一致しやすい事例と言えます。
(3)イギリス:国民保健サービス(NHS)により、医療費は原則自己負担なしです。子どもの医療費もNHSの適用範囲内で無料となり、所得制限もありません。
(4)フランス:社会保障制度が充実しており、公的医療保険(国民健康保険)に加入していれば、医療費の自己負担は非常に低い水準に抑えられています。子どもに対しても、同様に医療費負担軽減措置が講じられており、所得制限はありません。
(5)スウェーデン、デンマークなどの北欧諸国:高福祉国家として知られ、医療費は公的資金で賄われています。子どもに対する医療費も実質的に自己負担なしであり、所得制限はありません。
(6)韓国:韓国では、満6歳未満の子どもに対する外来診療費が自己負担なしとされており、政府は無料化の対象年齢を段階的に拡大しています。
提言⑨.生活保護受給者の遠距離通院時の必要な交通費の支給
1.解説:生活保護を受給されている方が、専門的な医療を受けるために、遠方の医療機関へ通院が必要となる場合があります。しかし、現行の生活保護制度では、遠距離通院にかかる交通費は、原則として医療扶助の対象外であり、生活扶助費から賄う必要があります。例外的に医療扶助として支給される場合もありますが、その要件は厳しく、多くの場合、遠距離通院の交通費は受給者の負担となっています。本提言は、生活保護受給者が遠方の医療機関へ通院する際に、必要な交通費を支給対象とすることで、経済的な理由で適切な医療へのアクセスが制限されることのないようにすることを目的としています。これにより、生活保護受給者の健康状態の改善や、重篤な疾患の早期発見・治療に繋がる効果が期待できます。また、経済的な理由で医療を諦めることのない社会を実現し、生活保護受給者が必要な医療にアクセスできる環境が整うことで、医療セーフティネットが強化されることを目指しています。
2.海外の事例:
(1)イギリス:国民保健サービス(NHS)のもと、医療費は原則無料ですが、低所得患者向けに交通費支給制度があります。生活保護に相当する所得支援を受けている人々は、病院への往復交通費の支給を受けることができます。
(2)フランス:疾病保険制度により、医療費の自己負担部分に対する一部支給が行われますが、一定の条件を満たす慢性疾患患者や低所得の保険加入者に対しては、交通費の支給も行われる仕組みがあります。
(3)ドイツ:法定医療保険に加入している場合、医療機関への交通費は原則として自己負担ですが、特に重篤なケースや低所得の保険加入者に対しては、交通費の支給が認められる場合があります。社会扶助受給者の医療費及び交通費は、社会保障制度から支給される場合もあります。
(4)スウェーデン:公的医療サービスが充実しており、患者交通費に対する支給制度があります。特に遠隔地に居住する人々にとって、交通費の支給制度が整備されています。低所得及び社会扶助受給者に対しては、交通費の全額支給または無料交通の提供が検討されています。
(5)オーストラリア:地域によっては医療機関までの交通費が支給される場合があります。特に医療が都市部に集中しているため、遠距離の患者に対する交通費支給は重要な政策課題となっています。オーストラリアの「患者負担減免制度」などを参考に、遠距離通院の支給が行われている点が有益です。
(6)カナダ:一部地域では、特に遠方の診療所への交通費が支給される制度が存在しています。

※生成AIも活用しています。
※議連としての統一見解ではなく、私個人としての考えとなります。
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